山口東京理科大学 白石幸英研究室

JKA補助事業成果資料

本ページでは公益財団法人JKA機械振興補助事業による成果を公開しています。

「2019年度熱配管の未利用排熱を電気に換える有機材料の開発と応用展開 補助事業」

概要

p型とn型材料からなるπ型有機熱電変換モジュールは、自然界に多く発生している低温廃熱を電気エネルギーに変換させ、エネルギー効率を増加させる可能性がある。しかしながら、p型およびn型材料は、それらが反対のキャリアを有するため、類似の方法によって調製することが通常困難である。本研究では、γ-シクロデキストリンポリマーとカーボンナノチューブの複合熱電(PγCyD-CNT)フィルムで、溶媒効果によりキャリアを制御することを実現した。調製溶媒が水からN-メチルピロリドン(NMP)切り替わったとき、このフィルムのキャリアが正孔から電子に変換され、345 Kでの水系とNMP系で出力因子値は221.0と246.6 µWm-1K-2であった。また、 NMP調製PγCyD-CNTフィルムは、周囲雰囲気下で半年間n型の特性を保持した。興味深いことに、フィルムに含まれる残存NMPはCNTのドーパント剤として機能し、ポリマー分子内のγCyDとNMPの化学的相互作用により、持続的なnドーピングが行われた。

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