山陽小野田市立山口東京理科大学 応用化学科 佐伯研究室

研究内容

アミロイド病の予防基盤技術の開発に向けたタンパク質工学からのアプローチ

近年、アミロイド線維と呼ばれるタンパク質のフィブリル状集合体がアルツハイマー病やプリオン病などの疾病(アミロイド病)に関わっていることが多数報告されており、アミロイド線維の形成の分子論的メカニズムとその防止機構の解明が求められています。当研究室では、アミロイドの形成を防止するためのペプチドを設計し、そのメカニズムを検証しています。

頭髪用化粧品の開発のための毛髪内構造の解明

毛髪は、加齢に加え、ヘアカラーやパーマなどの化学処理に伴い髪質が劣化します。毛髪の主要構成成分はタンパク質であり、劣化した毛髪を復活させる鍵はタンパク質です。そこで、毛髪のしなやかさを担うコルテックス細胞中のケラチンおよびマトリックスタンパク質の構造変化のメカニズムを明らかにするべく、ペプチドの化学合成、X線解析、液体クロマトグラフィーによる結合分析によってエビデンスベースでの商品開発に向けた基礎研究を頭髪用化粧品メーカーの株式会社と共同で行っています。

【報道発表】

メラニン合成に関わるPmel17タンパク質の異常構造変化の抑制機構の解明

美容の観点から敬遠されているシミは肌に黒色の斑点を持つ色素異常症の一つである。肌の黒色化の原因であるメラニンは、紫外線などの外部刺激が引き金となってメラノソーム中で合成されます。メラノソームに存在するPmel17タンパク質の異常集積体(アミロイド)がメラニン合成を促進しているため、シミの根本的な治療にはPmel17のアミロイド化の制御が効果的です。これまで当研究室では、ペプチドの化学合成と蛍光アッセイによるアミロイド性のスクリーニングの結果、Pmel17の凝集の中心は、405-418が形成しているβシートである可能性が高いことを明らかにしています。現在は、シミの発生制御の確立に向けて、アミロイド化を制御するためのペプチドをメラニン産生細胞に添加し、メラニン色素の産生を防止するための手法とメカニズムの解明の研究を行っています。

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